2019年、妊娠初期である妊娠4ヶ月にインフルエンザAを発症しました。
インフルエンザにかかって1番不安だったのは胎児への影響です。
妊娠初期でしたので、流産も心配でした。
服薬は基本はダメと思いこんでいましたが、タミフルを処方され数日服薬しました。
出産を控えた今も、本当に胎児への影響がなかったのか、不安になります。
2人目を妊娠して3年前(第1子妊娠時)と大きく違い、インフルエンザで処方される薬の種類が増えていることを感じます。
妊娠中にも服薬できる薬の種類がわかってきており、昔ほど薬が悪いと直結して考える必要はなさそうです。
この記事では
- 妊娠中のインフルエンザへの治療と処方について
- 流産のリスクと胎児への影響
- 予防接種の重要性
について解説します。
今回、インフルエンザにかかって処方された薬と調べたこと、その後の経過などご紹介します。
インフルエンザの胎児への影響は?
インフルエンザ菌による直接の胎児への影響は確認されていません。
インフルエンザそのものよりも、母胎に起こる異常な炎症や高熱の長期化が胎児に影響を及ぼす可能性があります。
炎症による早産のリスク
炎症性物質であるサイトカインは子宮の収縮を促す作用があり、子宮頸管の熟化にも関与し早産を誘発します(日産婦誌より)。
つまり炎症が続くと、お腹が張りやすくなったり、子宮頸管が短くなって流産や早産に繋がります。
妊婦がインフルエンザに罹ってしまった場合は、薬を使用して炎症を早く抑えることが必要になります。
インフルエンザは胎児の脳の発達に影響する?
妊娠中の母親の炎症は、胎児の脳の発達に影響を与え、自閉症発症率をあげるとの報告も複数あります。
- 妊娠中の母の感染症の頻度が自閉症(43%)で は対照の母(26%)より多い
- 母体の入院を有する感染症は、対照より自閉症で多く、妊娠第 1 期ではウイルス感染症が,第 2期では細菌感染が多い
絶対に自閉症になるわけではなく、研究段階です。
悲観せずにまずは自分の体を健康に戻すことをお薦めします。
以上から、妊娠中のインフルエンザは炎症を早期に抑えるために、適切な処置が必要です。
インフルエンザ流行期に風邪の症状がでたなら、早めに受診しておくこと、自己判断せずに適切な診断や処方を受けましょう。
妊娠中のインフルエンザの症状と処方薬について
インフルエンザの症状
- 呼吸器症状(咳やのどの痛み)
- 38.0℃以上の高熱
- 全身のだるさ(倦怠感)
- 食欲不振
- 頭痛
- 関節痛・筋肉痛
- 合併症:気管支炎、肺炎、中耳炎
- 重大な合併症には急性脳症(インフルエンザ脳症)や重症肺炎
風邪と違い、インフルエンザは症状が急に進行するのが特徴です。
妊娠中は赤ちゃんに対する反応を抑えるため、免疫が抑制されており、インフルエンザに感染しやすくしかも重症化しやすい状態です。
インフルエンザ流行期に風邪かな?と思う程度でも、早めに受診することが推奨されています。
妊娠中のインフルエンザは重症化しやすい
インフルエンザは重症化すると肺炎を起こし入院が必要になる感染症です。
- 妊娠中は胎児への免疫反応をおこさないために、全身の免疫機能を落としている
- 妊娠初期はつわりによる体力の低下
- 妊娠中期からは子宮が大きくなり胸郭を圧迫、肺活量が低下
以上の理由から妊娠中は一般の倍ほど重症化しやすいと言われます。
- 肺炎とはウイルスが肺まで広がってしまった状態
- 咳、黄色っぽい痰、38℃以上の高熱が特徴
インフルエンザとの判別が難しいですが、内科を受診し聴診やレントゲン検査によって診断されます。
重症になると呼吸困難や脱水症状が出現します。
- けいれん
- 意識障害(幻覚が見える、妄想症状が出るなど)
- 異常行動
などの急速に進行する神経症状が特長です。
その結果、血管が詰まったり、多くの臓器が働かなくなりすることがあり、命に関わる重篤な疾患です。
処方薬
妊娠中のインフルエンザに対して以下の3種類の処方が多いようです。
- タミフル
- イナビル
- リレンザ
私が産婦人科から処方されたのはタミフルでした。
医療職でありながら「タミフル=子供が異常行動でマンションから飛び降りるほどの強い薬」程度の知識しかなく服用に不安がありました。
調べてみると、タミフルやイナビルの妊婦への処方はかなり一般的なようです。
- インフルエンザへの感染は流産や早産、低体重出生児、胎児死亡のリスクが増加するという報告があるため、治療の必要性は高い
- 米国では妊婦および産後2週間以内の産褥婦は発症後48時間以内であればタミフルやリレンザによる治療を行うように推奨
妊婦に処方可能な薬剤より引用
- 妊娠初期にオセルタミビル(タミフル)を使用した90人の妊娠結果は、流産・先天異常他、通常の発生率と比較して高いものではなかった
- ザナミビル(イナビル)は吸入で使用され局所で作用するため、母親の血中に移行する量もごくわずかであり、さらに口に残ってしまった分を飲み込んでしまったとしても、それも血中にはほとんど移行しない
タミフルは実際に、2009年のインフルエンザ(H1N1型)流行時に妊婦に多く投与されました。
10年経っても、胎児奇形や発達障害の報告は上がっていないため、その後の発達にも影響がなかったと判断されています。
受診する場合はどうする?
インフルエンザに感染した時点で、胎児への影響が心配でたまりませんよね。
エコーで赤ちゃんの状態を確認したいところですが…。
自分が産婦人科を受診してしまうと他の妊婦さんへ移してしまう可能性があり、普通には受診出来ません。
まずは一般的な内科受診をお勧めします。
インフルエンザと診断されたら産婦人科に電話連絡してみましょう。
産院によって対応は違いますが、主治医から指示があるはずです。
場合によっては、無理に産婦人科を受診するよりも家でゆっくりして早く治した方が赤ちゃんの安全性が高まります。
妊娠初期のインフルエンザ体験談
妊娠初期である私のインフルエンザの症状
- 発熱(37.5℃)
- 頭痛
- 倦怠感
- 鼻づまり(副鼻腔炎を併発)
- 痰が切れない
妊娠中の副鼻腔炎と服薬についてはこちら。
一般的なインフルエンザに症状よりかなり軽いので、副鼻腔炎だと思いこみ、耳鼻科を受診。
念のための検査をお願いしたところ、見事にインフルエンザAの陽性反応がでました。
産婦人科への連絡、処方
受診をキャンセルするため、インフルエンザに感染したと産婦人科医へ連絡。
インフルエンザ=受診拒否だと思っていましたが、夜間入り口から入りエコーだけ撮ってもらえるという神対応!
その場で診察も受けタミフルを5日分処方されました。
インフルエンザ予防接種について
わたしは妊娠2ヶ月、産婦人科の2回目の受診時に申し出てインフルエンザの予防接種をしていました。
高熱が出ず、症状が軽く済んだのは予防接種の恩恵だったようです。
インフルエンザの予防接種は妊娠時期に関わらず推奨されています。
妊娠中はインフルエンザなど感染症に感染しやすく、さらに妊娠中の高熱や異常な炎症は早産を誘発したり胎児へ悪影響を及ぼすとされています。
妊娠した場合は確実に予防接種はしておいた方が良いでしょう。
妊娠中のインフルエンザは早めにしっかり服薬がベスト!
妊娠中のインフルエンザ感染には薬を飲むリスクと、炎症や治療期間が長期間に及ぶリスク、どちらも存在します。
インフルエンザは普通のカゼと違い、症状が重いため、ウイルスからの影響よりも高熱や炎症による胎児への影響の方が強いことがわかっています。
妊娠中のインフルエンザは薬が使えないから受診してもムダだと思っていませんか?
その自己判断が逆にお腹の赤ちゃんを危険にさらす結果になるかもしれません。
早産(前期破水)は炎症値が高い妊婦に起こっていることもあり、妊婦は早期に炎症を起こしている状態から脱却すべき、というのが今の医学の考え方。
妊娠中のトラブルは専門機関である医療機関に必ず相談しましょう。
インフルエンザにはより実績のある胎児への影響の少ない薬が処方されるようになっています。
薬剤の服用に対して強い不安を覚える場合は、迷わずに質問しましょう。
納得のいく上での服薬をすることで、不安によるストレスからも赤ちゃんを守ることができます。