妊娠中である初期と中期に計3回、副鼻腔炎を発症しました。
妊娠初期にはインフルエンザからの併発や、ただの風邪からの発症もありました。
2人目のため前回よりつわりは軽くすみましたが、やはり利用状態はいつもより悪く、免疫力が低下していたようです。
(妊娠中のインフルエンザ感染と服薬についてはコチラ。)
妊娠前よりも副鼻腔炎が重症化しやすくなっているのを感じます。
副鼻腔炎は髄膜炎などの重篤な脳の病気へと発展し母体や胎児の命を脅かすこともあるため、抵抗力や免疫力が落ちている妊婦は
- 早めに受診すること
- 妊娠週数に合わせてしっかり服薬すること
がとても大切です!
ここでは、妊娠中の副鼻腔炎が赤ちゃんに与える影響や妊娠中でもできる治療法、服薬などを解説していきます。
妊娠中の副鼻腔炎!症状や治療法について
副鼻腔炎について
副鼻腔炎は鼻の穴の横にある副鼻腔という場所がつまって、炎症を起こしてしまうことで発症します。
昔は蓄膿症と呼ばれていました。
急性副鼻腔炎と症状が長く続く慢性副鼻腔炎があります。
多くはウイルス感染の数日後に細菌に感染することによって起こります。
ウイルスには抗生剤が効きませんが、細菌感染である副鼻腔炎は抗生剤の服用が効果的です。(全日本民医連HPより)
副鼻腔炎の主症状があれば、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
内科でも処方は可能ですが、副鼻腔炎の診断に欠かせない鼻腔内視鏡や治療に必要な器具は一般的な内科にはない医療器具です。
副鼻腔炎かな?と思ったら耳鼻咽喉科の受診が有効!
副鼻腔炎の症状
- 鼻づまり
- 黄色い鼻水が出る
- ネバネバした鼻水が喉に落ちる
- 鼻から臭いがする
- 頭痛
- 顔面痛
耳鼻科でしてもらえる処置
- 吸引
- 鼻洗浄
- ネブライザー
- 薬の処方
- 上顎洞穿刺
薬以外にも治療法があります。
重症度によって治療法が違ってくるため、耳鼻咽喉科の先生に重症度を診断してもらうことが重要です。
妊娠中でも薬は飲める
昔と違い、妊娠中でも飲んでも良い薬、ダメな薬が徐々にわかってきました。
歴史が長い薬ほどデータが多く、妊婦に使用しても問題ないとされるようです。
また妊娠週数も服薬には大事な要素です。妊娠4ヶ月(15週)以内は器官形成期にあたるので、薬の使用は慎重になる必要があります。
胎盤が完成する妊娠中〜後期にかけては使える薬の種類が広がるようです。
【副鼻腔炎の治療に必要な薬の種類】
- 抗生剤…細菌を殺すもの
- 抗炎症剤…副鼻腔の炎症を抑える
- 点鼻薬…鼻水の分泌を抑える
- 去痰剤…鼻の通りをよくする
- 痛み止め…頭痛や顔面痛がある場合のみ
症状や重症度に応じて処方されます。
私の場合は抗生剤(クラリスロマイシン)、去痰薬(カルボシステイン)、痛み止め(カロナール)、点鼻薬(アラミスト、スカイロン)が処方されました。
副鼻腔炎の胎児への影響は?
妊娠中の炎症が早産や流産の一因となります。(母体の体質・炎症の相互作用で早産が起きる仕組みを発見より)
調べてみると、副鼻腔炎の炎症が胎児に直接影響を及ぼすという記述は見当たりませんでした。
副鼻腔炎にかかるとCRPが上がりますが、軽度の副鼻腔炎から直接子宮の収縮がおこり、早産傾向になることはあまりないようです。
ただし副鼻腔炎は脳膿症や髄膜炎などの脳に重大な合併症を起こす可能性があります。(妊娠32週の鼻性髄膜炎例)
合併症を引き起こした場合は、全身に炎症が広がっており子宮や胎児への悪影響がでる可能性が高くなります。
また、副鼻腔炎は難治化しやすく、長期化することで胎児への影響も考えられます。
- 副鼻腔炎は難治化しやすい
- 重大な合併症に繋がりやすい(脳膿症、髄膜炎など)
- 炎症は子宮の収縮を促し流産や早産の原因になる
以上の理由から、妊娠中の副鼻腔炎は放置せず、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
膣の炎症から絨毛膜羊膜炎→前期破水へ繋がることが多いという記述は散見、原因は性交渉による膣内感染が多い?
妊娠初期から中期の副鼻腔炎体験談
計3回の副鼻腔炎でしたが、1番ひどかったのは妊娠初期にインフルエンザから発症した副鼻腔炎でした。
何回も鼻をかんで腹圧がかかったのが影響したのか絨毛膜下血腫にもなり散々。
抗生剤は強めのものを出してもらい、早めに炎症を抑えることの必要性を医師から説かれました。
症状の経過と処方された副鼻腔炎の薬(2019年)
抗生剤は全て7日分出されましたが、医師からは症状が収まり次第服薬を中止するように言われました。
代わりに、点鼻薬は胎児への影響がほぼないため、使い切るまで使用するよう説明を受けました。
アレグラ(フェキソフェナジン)の服用よりも局所的な効果のある点鼻薬の方が良いとのこと。
妊娠4ヶ月(20週、インフルエンザ発症時)
微熱(37度前後)、鼻づまり、ひどい頭痛によりまる1日寝て過ごす。
翌日受診し、インフルエンザAと副鼻腔炎の診断を受ける。
医師から説明の上、強めの抗生剤を処方される。服用開始後より劇的に症状が改善。
- セフジトレンピボキシル100mg 3回/日(抗生剤)
- カルボシステイン500mg 3回/日(去痰剤)
- スカイロン点鼻薬
- カロナール(頓服)
痰が出なくなったので、抗生剤服用は4日目までで終了。
妊娠7ヶ月
花粉症終盤からの発症。非妊娠時から毎年起こっているもの。
症状はひどい鼻づまりのみ。
GW直前だったこともあり、鼻水が黄色くなった時点で早めに耳鼻科を受診。
- クラリスロマイシン200mg 2回/日(抗生剤)
- カルボシステイン500mg 3回/日(去痰剤)
- アラミスト点鼻薬
抗生剤は2日の服用のみで症状消失。
妊娠8ヶ月
風邪からの発症。
ひどい鼻づまり、黄色い鼻水、頭痛のため、前回分のカルボシステインとクラリスロマイシンで凌ぐ(主治医確認済み)。
薬が足らずすぐに受診。
- クラリスロマイシン200mg 2回/日(抗生剤)
- カルボシステイン500mg 3回/日(去痰剤)
- スカイロン点鼻薬
耳鼻科でネプライザーと鼻の奥の吸引をしてもらうと一気に鼻がラクに!!
妊娠の経過について
現在妊娠9ヶ月、特に体調不良なくもうすぐ出産を迎えようとしています。
2人目妊娠のつわりは軽かったものの、インフルエンザ、副鼻腔炎×3回、絨毛膜下血腫、肋間神経痛、妊婦貧血とトラブル続きの妊娠初期・中期でした。
今のところ産婦人科の診察では胎児に何の異常もみられず、安定した妊婦生活を送っています。
服薬や各種トラブルの影響は気になるところですが、副鼻腔炎になってなくとも、母体・胎児ともに絶対に安全で安心なお産は存在しないはず。
とにかく無理せず、感染対策をしながら出産までの日々を過ごしたいです。
この後特に問題なく39週に出産しました!
妊娠中の副鼻腔炎は早期治療を!
自閉症児の母親は妊娠時に炎症を起こしていた率が高いという研究もあります。
炎症が胎児に何らかの影響を与えることはわかっていますが、詳しくはまだ解明されていないのが現状です。
最近の研究で、胎児に影響のない薬が増えてきており、早期に炎症を抑えることができます。
薬全てが胎児に影響を与えるものではないことは定説になっています。
重症化する前に耳鼻科を受診し炎症を抑え、安全な出産のためにしっかり治療しましょう!