転職後の妊娠はいつから可能なのでしょうか?
私は転職後約1年で妊娠発覚、転職先で無事に産休を取得し、もうすぐ出産を迎えようとしています。
産休・育休を取得したい人は、転職後の妊活開始は時期に迷いませんか?
妊活開始は早ければ早いほど良いと言われるものの、一番気になるのは周りの反応。
評価や人間関係を含め、できるだけ良好な状態で産休に入りたいものです。
経験上、妊娠期間をいかにストレスなく過ごせるかは、かなり重要な要素です。
制度上でも、産前産後休業と育児休業は取得条件とその間の給料が保障される条件が違うため、妊活開始時期は制度をしっかりと知る必要があります。
転職1年以内の妊娠はあまりオススメできません。
この記事では
- 最短で産休・育休が取得できる時期
- 出産手当金や育児休業給付金の取得条件
- 良好な人間関係を構築するまでの期間
- 円満な産休・育休取得のためにやったとこと(実体験)
をまとめました。
転職後に産休・育休はいつから取得できるか?
育休手当を受け取りたければ、妊活開始時期は転職後6ヶ月以降となります。
正社員の場合、雇用保険や健康保険にしっかり加入している人が多いので、保険の種類はあまり気にする必要はなく妊活開始時期が重要です。
パートの場合は加入している社会保障で取得条件が変わってきますので、別記事をお勧めします。
産休・育休の取得条件
期間 | 定められた法律 | 取得条件 | |
産前産後休業 | 産前42日〜産後56日まで | 健康保険 | 出産するすべての女性 |
育児休業 | 育休取得〜子どもが1歳になるまで(2歳まで延長可) | 雇用保険 | ・転職先での雇用されている期間が1年以上あること
・子供が1歳になるまでに労働契約の期間が満了することが明らかでないこと |
産休はすべての女性に認められますので、転職後の妊娠には育休取得の条件を満たしているかが重要になります。
妊娠期間が10ヶ月(40週)。
育児休業の取得条件の1つに「同一の事業主に1年以上雇用されていること」という条件があります。
産前休業に入るのは産前6週の妊娠34週目、その1ヶ月前には申請が必要だそうです。
4週前の妊娠30週(妊娠7ヶ月3週目)に育休を希望するとして、逆算すると入職後22〜23週以降から開始した生理のあとより妊活可能となります。
つまり入職して最短で6ヶ月以降に開始した生理後より妊活可能です。
ちなみに産前休業は希望すれば取得できるものなので、育休要件を満たすために出産直前まで働くことも可能です。
ただし出産手当金や育児休業給付金が支給される条件はもう少し厳しくなります。
一般企業では就業規則でより優遇された育休規定がある場合もあります。
上場企業やベンチャー企業にお勤めの方でしたら、転職前に一度就業規則を確認することをおすすめします。
産休・育休中に手当てを受け取る条件
産休・育休の取得条件と手当を受け取る条件は違うので注意が必要です。
期間 | 給付条件 | |
出産手当金 | 標準報酬日額の2/3×日数 | 会社の健康保険に加入していること(扶養はNG) |
育児休業給付金 | (生後180日まで)標準報酬日額の2/3
(生後180日以降)標準報酬日額の1/2 |
雇用保険へ加入している
過去2年に勤務日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある |
産休がとれる≠出産手当金がもらえる
産前産後休業は労働基準法で定められた出産前後の休業期間です。全ての出産した女性に認められます。
この間の給料を補ってくれるのが出産手当金で、給付条件は就労先の健康保険に加入していること。
扶養に入っている人は支給されません。
育児休業がとれる≠育児休業給与金がうけとれる
妊活開始時期を調べるくらいですから、育休を取るだけでなく、育児休業給付金を受け取りたいですよね。
育児休業給付金は産後180日までは日給の2/3、それ以降は1/2が支給されます。
出産手当金と違い、雇用保険に加入している人が対象となります。
育児休業給付金の給付には過去2年以内に11日以上勤務した月が12ヶ月必要です。
妊娠初期よりで自宅安静や入院する妊婦さんもおり、妊娠中に11日以上出勤できない月が続くと、育児休業給付金の受給条件を満たさなくなります。
ちなみに私は絨毛膜下血腫、インフルエンザ、副鼻腔炎などのトラブルにより妊娠初期に休業期間が長くありました。
妊娠中はトラブルが続きますので、余裕があれば妊活開始は2〜3ヶ月遅らせるとより安心でしょう。
妊娠0週の定義に注意!
妊娠0週は妊娠前にあった最終生理の開始日です。計算する際は注意しましょう。
転職後の妊活は有給休暇があると心強い
入職後6ヶ月たってから有給が発生するところが多いので、有給発生に合わせて妊活開始を検討しましょう。
運良くすぐに妊娠できても、妊娠中はつわりや出血などのトラブルが多い上に、産婦人科の定期受診(土曜日は激込みです)など、仕事を早退・遅刻したり休むことが多くなります。
妊婦検診を受けるための休みは法律で守られていますが、ほとんどの会社が無給なんですよね。
有給が少ない状態で妊娠すると、妊娠中のトラブルで欠勤してしまい、給料が減額になることがあります。
減給になると日額の計算に響きますので、産休や育休中にもらえる手当も減ってしまいます。
欠勤が続き、11日以上出勤できない月が続くと、育児休業給付金の給付条件を満たさなくなることもあります。
できるだけ有給で対応できるようにしましょう。
転職後の妊娠期間をストレスなく過ごすために
私の場合、同職種間の転職で早く業務内容を把握できたこと、転職後の人間関係構築に上手くいった自信があり、転職後1年を待たずに妊活を開始しました。
転職後7ヶ月経過してから妊活を開始。
運良く転職後ちょうど1年で妊娠が発覚。
転職から1年7ヶ月後に産休に入りました。
スムーズな産休・育休取得のためにやったこと
妊娠前に信頼されるまでの期間が必要
信頼関係がいつ構築されるのか、は事業所の雰囲気や個人のキャラクターもあると思いますが、やはり半年程度はとにかく信頼関係構築に徹する必要があります。
入職してすぐのよく知らない人間が「妊娠しました!フォローお願いします!」というのと、長年働いたよく知った職員が同じセリフを言うのとでは印象が全く違います。
転職後すぐの妊娠では、やはり不快に思う職員もいるでしょう。
特に女性スタッフの核となる人物は早めに把握し、良好な関係を築くように接しましょう。
媚びる必要はなく、仕事に真摯な姿勢を見せることで、信頼をゲットしてください。
管理職との信頼関係を築く
- 主業務に対する信頼
- 事務作業に対する信頼
- 勤務態度に対する信頼
色々とありますが、妊娠前はとにかく会社にとって有益な人材であることをアピールします。
管理者側に「産休・育休をとってでも働いてほしい!」と思わせることです。
他の人のフォローも積極的に引き受けましたし、少し休憩時間を削ったり残業を申請しなかったりしてでも関係を良好に築くように徹しました。
残業代と言っても微々たるもの。文句を言って心象を悪くするよりも、長い妊娠生活を円滑に進めることの方が重要です。
同僚との信頼関係を築く
先輩・後輩にかかわらず、普段からよくコミュニケーションをとりました。
情報共有して悪いことは何もありません。
仕事のことだけでなく、普段からのなにげない会話でお互いをよく知っておくことも大切です。
「髪型変えた?」「昨日休んでたけど大丈夫?」「新婚生活どう?」などなど。
更衣室や昼休憩のちょっとした時間に他スタッフとコミュニケーションをとりました。
【自分からフォローし合う雰囲気を作っておく】ことが重要ですので、誰かが休みのときにはフォローする、体調を気遣う、恩つけがましくしない、なども気を付けました。
ママとしての自分も知ってもらう
子供の話ばかりするのは嫌がられますが、子どもの可愛らしい話や面白いエピソードはちょこちょこ発信しておきます。
「〇〇さんの子ども」ではなく「(実名)ちゃん」として認識してもらうことで、具体的に子育てを頑張っていたり、時間がない生活をしていることを少しずつ浸透させていきました。
普段はほとんど子どものを話をしないので、既婚者であることも忘れられがちな私ですが、忘年会に子どもを連れて行ってアピールをしたりもしました(忘年会に子連れ参加するメリット)。
心理上、転職後の妊娠はいつから許されるのか
これは難しい問題で、答えがありません。
女性が多い職場でも理解が得られないこともありますし、女上司からマタハラを受けることもあります。
どれだけ業績を残しているか、良好な人間関係を築いているか、がやはり重要と言えます。
業務全般を覚えるまでの期間
医療系の専門職ですので、主業務に関しては、全国どんな場所でもやることは一緒です。
主業務よりも転職先のローカルルールや暗黙の了解、人間関係の把握がとても重要になってきます。
これら全てを把握するのは早くても3ヶ月は必要でしょう。
主業務が全くの初心者であれば、6ヶ月、長い方だと最低でも1年はは必要かと思います。
主業務や事務作業を人に教えられるようになった頃、その会社の業務を把握したと言えるでしょう。
妊娠中の仕事には周りの協力が必須
トラブルのない妊婦はほぼいないと思ってください。
- 働く女性の23.2%が流産を経験、27.5%が切迫流産や切迫早産を経験している(2015年 働く女性の妊娠に関する調査/全労連より引用)
これは全妊娠の流産する確率15%と比較しても、高い数字になっています。
妊娠しながら働くというのはとても難しいことです。
そのために法律で妊娠しながら働く女性の権利が保障されています。
🔽こちらのパンフレットは分かりやすく妊娠中に働く女性の問題と法律で守られている部分を解説しています。
働きながらお母さんになるあなたへ/厚生労働省
妊娠中だけでなく、育休から復帰した後も突然の子供の体調不良で職場に迷惑をかけることが増えます。
独身女性は子育て世代女性の業務のしわ寄せが行くとよく言われます。
しかしその女性も明日はわが身。
お互いにフォローし合いながら働いていける職場にしていきましょう。
結論:妊活開始は転職後8〜9ヶ月以降が良い
- 転職後23週目以降の生理から妊活は可能だが、育児休業給付金の条件に満たない場合があり、さらに2ー3ヶ月余裕を持たせるのがベスト
- トラブルが多い妊娠中は有給がある方が安心
- 転職後は良好な人間関係をつくる努力が必須
すぐに妊娠するとは限らず、計算通りいかないのが妊娠です。
特に30代に入ってからは焦る気持ちもあり、できるだけ早く妊活を開始したいですよね。
一般的に転職後1年経ってからの妊娠が良いと言われていますが、妊活だけは早めに始めておきましょう。
ちなみに妊活中からも葉酸を取っておくことで、二分脊椎など神経菅閉鎖障害のリスクを軽減することができます。
妊活中の女性は1日400μg、妊婦への推奨量は440μgとなっています。
葉酸を摂取すると着床率が高くなるという話もあります。
葉酸はブロッコリーやホウレンソウに多く含まれていますが、働きながら食生活にも気をつけるのは難しいため、サプリメントでの摂取をおすすめします。
妊活開始したからといってすぐに授かるわけではないので、年齢やタイミングを考慮して家族にとってのベストをパートナーと話し合いましょう。