妊娠中期〜後期に胎児が鉄分やビタミンを多く必要とするため、妊娠30週前後の妊婦では約20%が貧血になると言われます。
貧血はフラつきや立ちくらみというイメージがありますよね。
実はダルい・息切れ・疲れやすいなどの症状が出ていることがあり、気がつかないうちに貧血が進行する妊婦さんが多いのです。
貧血は妊娠中のお母さんの体に影響を与えるだけでなく、赤ちゃんへ送る酸素の量が少なくなってしまい、胎児にも悪影響を与えます。
出産時には多量に出血するので、妊婦貧血は出産時のリスクが高くなったり産後の回復の遅さにも繋がります。
たとえ貧血症状がなくても、妊娠中は積極的に鉄分を取る食生活が必要です。
この記事では
- 貧血の原因・セルフチェック方法
- 胎児への影響について
- ズボラ妊婦でもできた簡単な食生活の改善方法
- 簡単に鉄分を摂取できる食品
を紹介しています。
妊娠初期には葉酸摂取、妊娠中期から後期にかけては鉄分やたんぱく質摂取を主とした食生活を意識しましょう!
妊娠中の貧血の原因・セルフチェック方法
実は私も妊娠7ヶ月頃からの階段での息切れや疲れやすさを放置していた妊婦です。
妊娠後期の血液検査で貧血が判明。
すぐに鉄剤を処方されました。
妊娠中の貧血の原因
妊娠中の鉄分は、非妊娠時と比べて、妊娠初期で+2.1mg/日、中期で+10.7mg/日、後期で+14.6mg/日が必要とされています。
(「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より)。
妊娠中期から必要な鉄分量がぐっと上がっているのがわかります。
胎児優先で栄養が送られるので、ママの体には鉄分が足りなくなり貧血になります。
妊娠中に必要な鉄分の量が変化していることや、全体の血液量が増えるわりに赤血球などが増えないため、貧血になるのです。
妊娠前と同じ食生活では必ず貧血になってしまう、ということです。
食生活はかなり意識的に鉄分を取らないと、貧血になってしまいます。
妊婦貧血の胎児への影響は?
妊婦貧血は血液検査の結果で判断されます。
- ヘモグロビン(Hb)値11.0 g/dL未満
- ヘマトクリット(Ht)値33 %未満
妊娠中の貧血を甘く見てる人も多いので、少し怖い話をしますね。
妊婦貧血は妊婦の5人に1人、約20%に発症します。
多くは妊娠による鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血または両者を合併したものです。
妊娠中の貧血がひどいと、最悪の場合は胎児死亡に至るといわれています。
- ヘモグロビン値は8.0~10 g 程度の貧血でも、胎児死亡や低出生体重児・ 未熟児の頻度が高い
- 急速に発症した重症貧血妊婦(Hb≦6.0 g/dL)では胎児死亡に陥ることがある
- 妊娠中期以降のHb値が10 g/dL台の軽度の貧血では出生児体重が重く、低出生体重児の頻度が最も少ないと報告されている
どうですか?
貧血が早産や胎児死亡に関わると聞いてようやく貧血のヤバさを感じた妊婦さんも多いのでは??
貧血は妊婦自身が辛いだけでなく、胎児の今後の発達にも深く関わっているのです。
もしかして貧血かも?と焦ってきた方は次のような症状がないか確認しましょう。
妊娠中の貧血セルフチェック
爪が白くなっている、割れやすい、凸凹している
疲れやすい
肩凝りがひどい 階段や上り坂で息切れがする 体がだるい、
貧血になると、全身に酸素が行き渡らなくなり、疲れやすくなったりだるくなったりします。
セルフチェック項目に当てはまる人はかかりつけの産婦人科医に相談し、血液検査や鉄剤を処方してもらいましょう。
やたらと氷が食べたくなる
人もいますので、アイスクリームを食べたくなる(私の場合はガリガリ君でした)という人も貧血を疑いましょう。
ズボラな妊婦でもできた!簡単な貧血改善方法
妊娠中の鉄分量は妊娠中期で+11mg、後期で+15mgを今までの食事にプラスする必要があります。
ところが働きながら子育て・妊娠している身でしたので、日々の生活で手一杯…。
手作り料理にこだわるのは無理!と判断し、より手軽な方法でちょこちょこ鉄分を摂るように意識しました。
太りやすくて困っている妊婦さんは、食材を意識して鉄分を摂る方法がオススメです。
食材について
鉄分の摂取には種類を意識しましょう!
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があります。この2つは体への吸収率が全然違うのです。
吸収率 | 含まれる食材 | |
ヘム鉄 | 15〜30% | 肉・魚 |
非ヘム鉄 | 5%以下 | 野菜(ほうれん草、小松菜など)・卵・牛乳・貝類 |
小松菜やほうれん草を頑張ってたくさん取るよりも、吸収率の良い肉や魚を摂る方が良いのがわかりますね。
ヘム鉄を主とする肉や魚をメイン、他の食材はサブと捉えて積極的にタンパク質を取るほうが簡単に鉄分摂取できるのです。
簡単にできる食事内容の変更
肉や魚は多くの鉄分が含まれ、吸収率が良い食材です。
種類によって鉄分の量が違いますが、一般に赤身のものほど鉄分が多くなっています。
吸収率も良く、野菜からとるよりも効率的に鉄分を取ることができます。
お肉(80g)で比べてみると牛肉で1.0〜2.2mg、豚肉で0.7mg、鶏モモ肉で1.7mgの鉄分が摂れます。
レバーが最も鉄分が多く含まれますが、動物性ビタミンAの過剰摂取は胎児奇形に繋がります。食べ過ぎには注意しましょう。
たまに通常量をとるレベルなら問題ないそうです。
- 甘い菓子パン→ソーセージ・ベーコン・ツナなどの惣菜パンに変更
- 朝食に納豆を摂る(+1.5mg/1パック)
- 鉄分入りチーズを追加(+1.7mg/個)
- 豚肉よりも牛肉摂取(+1.0mg)
- 野菜炒めに卵1個を追加(+1.0mg)
- たまにレバーを食べる(+2.0mg)
パン食をやめてご飯食にすると、自然とおかずを食べるようになります。
昼食をパン→コンビニの牛丼やお弁当にするだけでも、タンパク質の摂取量がグッと上がりますよね。
パンはカロリーが高く、糖質が多いので要注意です。
特に妊娠糖尿病や高血圧の方は注意が必要です。
野菜は1食分に換算すると、小松菜(2.0mg)、ほうれん草(1.4mg)、枝豆(1.4mg)の鉄分があります。
ただし非ヘム鉄なので、吸収率が低いのが難点。
たんぱく質、アミノ酸、アスコルビン酸(ビタミン C)は鉄吸収を促進しますので、掛け合わせを意識すると鉄分摂取量がアップします。
- 牛肉の炒め物→牛肉+小松菜+卵とじの炒め物(+3.0mg)
- ほうれん草のおひたし→白和え(+2.4mg)
- デザートに果物を食べる(吸収率アップ)
普段のヨーグルトをきな粉ヨーグルトにしたり、おやつにレーズン(+0.5mg)を食べるだけでも鉄分摂取になります。
きな粉ヨーグルトは妊娠中期からの便秘にもかなり改善効果がありました。
妊娠中はカルシウムも胎児に使われるため、母胎で不足しがちなミネラルです。
ヨーグルトや牛乳を積極的にとることで、骨粗鬆症や虫歯の予防にもなります。
- ヨーグルト+きな粉大さじ1(+0.5mg)
- きな粉牛乳(+0.5mg)
- 和え物+ごま大さじ1(+1.0mg)
- レーズンひとつかみ(+0.5mg)
多く鉄分が含まれている手軽な食品をご紹介します。
補助食品の鉄分は、吸収率の低い非ヘム鉄に分類されるので、肉や魚と一緒に摂取することでさらに吸収率アップを狙いましょう。
【鉄分入りチーズ】+1.7mg/個
食事にプラスすることで、たんぱく質と鉄分が一気にとれます。葉酸も入っているのでオススメです。
【ブルーベリー飲むヨーグルト】+6.8mg/個
【トロピカーナ 鉄分】+3.9mg/個
【ココア(鉄分入り)】+3.8mg/1杯
ココアは鉄分が含まれた飲料です。
鉄分がより多く含まれている手軽な粉末ココアも売られています。
ココアは自動販売機などでも売っていて、食物繊維が入っているので便秘解消にも良い食材です。
サプリメントで補うことで1日に必要な【葉酸サプリ mitete】には鉄分が10mg含まれています。
赤ちゃんの神経系の発達に欠かせない葉酸400μgもしっかり摂取できるので、妊娠中の女性にはぴったりのサプリメントです。
またカルシウムも母胎に不足するミネラルです。カルシウムが不足し、骨折しやすくなったり、歯が溶けて虫歯になりやすくなります。
仕事に子育てに忙しくてなかなか食事にまで気を配れない、葉酸・鉄分・カルシウムすべてのミネラルを補うのは難しいという方にはサプリメントがおススメです。
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今まではテフロン加工のフライパンを使用していましたが、夫の強い勧めで鉄製フライパンを購入。
お手入れが面倒なので、できるだけ買いたくなかったのですが、いざ買ってみると愛着が湧いてしまい、料理のモチベーションがアップしました。
- 炒め物が美味しい
- 青物が綺麗に映える
- 料理時間が短くなる
- テフロンよりお手入れに時間が掛かる(5分程度)
- 錆びやすい
- やや重い
鉄製のフライパンは錆びやすいのでお手入れが面倒ですが、その分愛着がわきます。使うほどに油なじみがよくなって使いやすくなるそうです。
炒め物をした時の小松菜のシャキシャキ感がテフロン加工と全然違います!
妊娠中の貧血を甘く見てはいけない
貧血が中等度〜重度の場合は医師に相談!
Hb値が10以下の中等度から重度の妊婦は早産や胎児死亡のリスクが高まります。
予防の域を超えて、治療が必要なレベルです。
貧血の症状がある場合は妊婦健診で必ず医師に申し出ましょう。
重症度の判断には血液検査が必要です。
主治医の判断に従い、鉄剤を処方してもらいましょう。
貧血の改善には期間が必要
人間の肝臓には貯蔵鉄があり、鉄分が不足すると貯蔵鉄から補っていきます。
貧血の人は貯蔵鉄も慢性的に不足していますので、日常的な鉄分の補足に加えて貯蔵鉄を増やしていく必要があり、時間がかかるものです。
慢性的な貧血は日々の疲れやすさに繋がり、マタニティライフを楽しめない原因にもなります。
毎日の食生活を少し変えてみたり、それでも難しい場合はサプリメントを毎日摂るようにしたり少しずつ長い目で対策をとりましょう!
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後日談(産後の経過)
この記事公開から1ヶ月後に第2子を出産しました。
約2ヶ月、鉄分摂取を心がけた結果、出産時の出血量は少なく、翌日からスタスタ歩くことができています。
出産翌日のHb値11.7mgでした!
正常値11.5-15.0mg、前日に出血・悪露の中での数値としては良いとしよう。
妊娠前に頑張った甲斐があった!!
嬉しいー😆— ささまや@育休中のPT!3y&2m (@sasamaya_pt) August 13, 2019
産後16時間後の採血でHb値11.7mg。
正常値はHb11.5-15.0mg。
前日に出産し、悪露がある中で正常値に落ち着いているということは、産前の努力は実っているということでしょう。
産後の経過も良く、母乳の出も良好です。
努力が数値に反映されていて、とても嬉しいです。