年々、訪問リハで活躍する療法士の割合が増えてきていますね。
訪問リハビリを始めて1番困ったのが女性ならではのトイレ問題、怖いと思ったのが1人で他人の家に入ることでした。
女性特有の問題は男性には話しづらく、女性だけの共通認識となりやすいですよね。
男性上司には話しづらい問題を文章にまとめました。
男性管理者にも知っていただきたいので、目を通してもらえると嬉しいです。
ダントツ大変なのは生理期間
生理期間は本当に気を使います。
生理は約1週間続きますので、1ヶ月の1/4を困っていることになります。
特に量の多い1〜3日目は自己管理に神経を使います。
衣類・寝具の汚染の心配
経血のモレは自分の服だけでなく、利用者さん宅のベッドやカーペットを汚しかねません。
汚してしまったときの恥ずかしさ、その後の処理、お詫び等を考えるとかなり慎重になります。
ちなみにモレは
- 給水率の良い生理用品を使用する(値段は高め)
- こまめに生理用品を取り替える
ことで高確率で防げます。
トイレを探す時間がない
特に量の多い2日目は、2時間ごとにトイレに行く必要があります。(*個人差あり)
何曜日にくるのかわからないのが生理。
生理がいつ来てもいいように、トイレへの移動時間も含めた訪問時間の設定をしておくと安心です。
- トイレに行く時間を作る
- トイレの場所を事前に把握しておく
- 遅れる場合は利用者に必ず連絡する
- 遅れることもあると事前了承をとっておく
生理痛
生理痛の酷さは個人によりますが、動けなくなるほどの鈍痛を抱える人もいます。
生理痛に使用する痛み止めは眠くなりやすく、車移動が多い訪問リハでは使用判断が難しいところ。
訪問予定が詰まっているのに、生理痛で休みます…なんて言いにくいし、無理してでも訪問しがちです。
私は貼るカイロを常備していて、ひどい時は腰に貼ってリハしています。
- 思い切って休むor休憩する
- 眠くなりにくい鎮痛剤を使用する
- 貼るカイロで腰を温める
生理がいきなり始まる
生理用品は常備しておくこと、地域のトイレの場所マニアになっておくことを強く推奨します。
- 訪問カーに座布団を敷く(汚染防止)
- 生理用品を常備する
- 生理周期を把握する
- 開始予定日前から小さいナプキンをつけておく
安心・安全なトイレを探す大変さ
ストレスのない排泄環境の確保
訪問リハではトイレに行けず膀胱炎になる人も多いです。
基本的に利用者宅でトイレを借りるのはNG。
コンビニは時間帯によって混んでいたり、男女別でない場合もありますので事前チェックしておきましょう。
【チェックポイント】
- 男女別か
- 清潔さ
- 混み具合
できる訪問療法士はトイレに異様に詳しいです。
公共トイレの危険性
盗撮等の犯罪被害に合うことを考えても、やはり女性専用のトイレを使いたいですよね。
男性が入っているというだけで少し怖く感じます。
体育館や公民館、区役所などの公共施設の利用も入れると、選択肢が広がりますよ。
対策まとめ
- 訪問ルート上のトイレの確認
- ルートを考えて早めにトイレに行っておく
- 公共施設の利用
- 同僚とトイレ情報を共有する
密室でセクハラ問題
訪問事業では女性1人で男性宅に上がる危険性がつきまといます。
膝に手を置く、胸を触る…といった身体接触から性的な発言によるセクハラ。
密室で自分だけしかいないので誰も信じてくれなかったら…自分の思い過ごしだったら…次回から違うのでは…なんて思い悩んだりします。
が。
大きな間違いです。
セクハラする利用者が一方的に悪いのです。
セクハラはすぐに管理者に報告を
小さなセクハラでもこまめに報告しておきましょう。
ことが大きくなってから相談すると、管理者は驚く上に対策が後手に回ってしまいます。
事業所は女性1人で訪問させているリスクを考えて、把握・対策すべきです。
男性への担当変更やケアマネへの報告、場合によっては利用停止等の対策をします。
セクハラして質の高いリハビリが受けられなくなるのは、利用者が悪いので気にすることはありません。
対策
- セクハラされたら即上司へ報告
- 担当変更(もちろん男性へ)
- 担当変更できないなら利用停止
- ケアマネに報告して情報共有(2次被害を防ぐ)
- 可能であればセクハラしない様に本人に伝えてもらう
- ズボンや上着はラインが出ないゆとりのあるものを選ぶ
- 毅然とした態度で接する
女性が働きやすい職場環境を
訪問では「女性限定」でケアマネから依頼が来ることが多い様に感じます。
しかし質の高い女性療法士の確保には各事業所が難渋しているのではないでしょうか。
病院で男性セラピストは良くても、家にくるのはやっぱり女性じゃないと…という女性利用者から男性だと機嫌が悪くなる男性の利用者まで…。
色んな方に対応できて技術力もある療法士はなかなかいませんよね。
女性人材の確保は事業所の利益
妊娠、出産のことも含めて、普段から女性が働きやすい職場づくりをすることは事業所としての利益に繋がります。
管理者は女性ならではの問題を理解し、対策をとること。
質の高い療法士が長く働けば、事業所としての信頼に繋がります。
守ってくれる事業所を大切にする
残念ながら女性を守ってくれない事業所もあります。
女性としての生理現象への対策、身の安全確保は最低限のもの。
改善が見られなければ、転職するのも1つの方法です。
女性側も労働者を守ってくれる企業は大切にし、しっかり働きましょう。
女性が働きやすい職場環境の構築は事業所と労働者の相互利益になると信じています。